
毎年恒例の、その年の『日本シリーズ』&野球総括「BASEBALL 2009 Final」特集号。毎回、解説陣が豪華な『日本シリーズ』一戦ごとの詳細解説は、今年は松坂大輔、桑田真澄、高津臣吾、斎藤 隆、阿波野秀幸、西本 聖、そして全体を江夏 豊。今年と言えば、外せないイーグルスの躍進は、野村克也へのインタヴューで。(山崎二郎)
あの感動の『WBC』のベンチでは何があったのか? この知りたい舞台裏をチーム結成から順を追って綴っていくのは三塁ベース・コーチをおこなっていた、前ドラゴンズ・コーチの高代延博。イチローのすごさ、宮崎キャンプを終え、落選選手を発表する際のこと、アメリカに行って、グラウンド外での過ごし方など、当たり前というか、中にいた人にしか見えない記述はやはり読ませる。(山崎二郎)
スポーツライターの阿部珠樹がこれまで寄稿してきた幾多のノンフェクションから野球に絞って選りすぐられた7編を収めた著作。95年の野茂英雄フィーヴァーの最中、LAに住む日本人、旅行代理店など周辺の人たちにスポットを当てる視点が素晴らしい。05年の『日本シリーズ』。西岡 剛の1つにプレイについて綴っていくことも斬新さを感じた。また、84年、初めて野球がオリンピックの舞台でプレイされたLA大会の舞台裏を証言を交えて綴っていくのも、時が経った故に語られる話が面白かった。(山崎二郎)
これまでのドームで人工芝だった〈メトロドーム〉から、来シーズンからは新しく、天然芝、野外の〈ターゲット・フィールド〉に移るという嬉しいアクションをおこなっているミネソタ・ツインズ。それに合わせて発表された新ユニフォームが、球団設立の61年当時のデザインをもとに制作。うーん、なんと示唆的な話。ぜひ、日本の球団も真似してほしい。新しくすればいいというものではないのだから。発表会でモデルとなったスパン外野手のコメントが全てを物語っている。「まるでハーモン・キルプルーやロッド・カルーになったような気分だ。彼らが着ていたのと同じだよ」。(山崎二郎)
学生野球未経験。けれど、40代でなお、生き甲斐、野球。なぜこんなにも野球が好きなのだろう。
リスペクトの意を表して、それをあえて趣味とは言わない。世間では、大人が趣味でやる軟式野球を「草野球」と呼ぶが、愛すべき野球に「草」をつけて呼ぶことにかすかな逡巡がある。
週末ともなれば白いボールを追いかけることに夢中になる。少年野球のキャリアさえない俺が学生野球の経験者に混じれば、まずいプレーで恥をかくことも多々ある・・・にも関わらずだ。
少年時代を都心で過ごした。俺たちのグラウンドは、団地の隙間の路上だった。わずかな人数でキャッチ・ボールやトス・バッティングを楽しむ行為を野球と呼んでよいのか?とも思うのだが、ある時、野球大国キューバの子供たちが路上で野球に興じる姿をテレビで見てシンパシーを覚えた。彼らもまた、きれいな土のグラウンドでプレーすることを夢見ながら、街角のちょっとした空き地で、そして薄汚い路地裏で夢中でボールを追っていた。あの頃の俺のように。
そして今。少年時代には憧れてもたどり着けなかった「ちゃんとした」グラウンドでプレーができる。これを至福と呼ばずして、何が至福か? あの頃は団地の窓ガラスを割るのが怖くて打てなかった軟球を思い切り打てるのだ。40代の俺を立たせてくれるグラウンドは、たとえ整備が行き届かず雑草が生えていようが、俺にとっての聖地だ。
野球をすることは、生きること。つくづくそう思う。
試合開始直後のボールは白く汚れないもの。けれど、不条理な人生のごとく、それはなかなか意のままにはなってはくれない。それでもお互いの素性さえ詳しくは知らない8人のチーム・メイトと力を合わせて勝利をつかむことは、ひとつの祝祭なのだ。たとえ、それが名もなきアマチュアの1試合であっても、ワールドシリーズの優勝決定戦に価値が劣るものではない。
フィールドに立つプレイヤーたちが、そのボールを真剣に追いかける限りは。
No Guts, No Baseball.
1アウトを取ることに、1球を打ち砕くことにガッツを込めよう。
No Baseball, No Life.
命ある限り、白球を追いかけよう。
そして、今夜も素振りをしよう。真夜中過ぎのストリートで。
Thank you, Baseball!
この聖なるスポーツを死ぬまで愛したい。(吉里 爽)
「本編」と「資料編」の分かれて記述されているとのこと。84年に刊行された『50年史』を持っているだけに9,000円という価格を考えると「うーむ」だが、「巻頭のカラーグラビアには秘蔵写真など約100点の写真を掲載」というのがどうにも気になる。(山崎二郎)
http://www.giants.jp/G/gnews/news_392138.html
さすが〈adidas〉。翌日のスポーツ新聞にはなんと原監督のトレード・マークであるグータッチの魚拓ならぬ「グー拓」が「日本一の喜びをキミの拳と。原辰徳」というコピーと一緒に展開。ウェブでは、「グー拓」のメイキング動画が観られ、壁紙でダウンロードも出来る。なおかつ、「グータッチTシャツ」も発売。しかし、優勝インタヴューで、原節全開でしたね。(山崎二郎)
http://www.adidas.com/jp/sports/baseball/giants/
次から次へと、購買心をそそるメモラビリアを発売している〈ベースボール・マガジン社〉の「BBM Authentic Collection」。最新作は岡田彰布。プルオーヴァー・タイプの縦縞ホーム用ジャージ。左袖の虎のエンブレムと現行と違って、微妙に稚拙なところが逆に気分。「道一筋」という岡田の座右の銘入り。94,500円(山崎二郎)
http://bbm-shop.sportsclick.jp/bbmshop02/7.1/280464-0004/
第2戦。いきなり始球式に登場したのは、引退以来の〈札幌ドーム〉となった新庄剛志。実際に抛ったのは、彼がプロデュースする映画の主演の少年だったのだが、この存在感は何?って感じがスゴかった。前夜の第1戦。マズい攻撃で落としただけに、休み明けでぶっつけ先発のダルビッシュの不安感がある中で、新庄の登場で一気に空気をファイターズ側に持っていった感があったのだ。
始球式の後、マウンドでダルビッシュの腰に手を当て、何やら囁き。うん、いい行動だ。「今日はお前が一番世界でカッコいい。だから、痛いという表情を出すな。楽しめ」的なことを言ったという。この囁き感イコール自分の庭感が、ファイターズ・ファンを盛り上げたことは想像できる。
で、テレビ解説に引退後初めて登場。これが超オモロかった。清原和博も新庄のノリに感化してか?ぶっちゃけたフランク・トークに。三宅アナウンサーも言っていたが、「清原さんに突っ込めるのは新庄さんしかいないですよ」と。「実は巨人ファンだった」、「ガッツがFAの時、中日ってことだったけど、『野球は巨人だろう』って言ったんすよ」とか、「糸数選手、ピッチャーで入ってきたんだけど、走る最初の一歩が素早くて、野手向けだと思ってた」とかいー話が連発。後輩選手は「~くん」や愛称で呼んでいるところを聴くと、ファイターズのいいムードを作ったのは新庄だったんだなぁと実感。
清原も「内海、すごく気が小さいんですよ」、「ホントに稲葉はナイス・ガイ」、「今日の主審はストライク・ゾーンが広くとってて、現役の時、打席に立つのが嫌だった」とかこちらもいー話が出てくる出てくる。で、プレイの背景については、高木 豊、片岡篤史がフォローするといういい布陣。とても楽しめる中継だったのだ。(山崎二郎)
スポーツ・ライターの阿部珠樹が上記以外に〈両国国技館〉、〈日本武道館〉のヒストリーを描いた新書。長い期間使い込まれ、寿命を全うした〈後楽園球場〉、〈川崎球場〉に比べて、たった、たった10年で閉鎖に追い込まれた〈東京スタジアム〉よ。。。。。。 球団が球場を持つことで、入場料、物販、広告など全収入が球団に入ること、球団名から企業名を外し、地域密着を計るべく、東京オリオンズとしたこと、とかく「放出」とネガティヴなイメージがつきまとうトレードを、エースと4番バッターを交換するという画期的なトレードを主導したこと。これだけ列挙しても、〈東京スタジアム〉を作った永田雅一の先見性は、もっと評価されるべきだ。ジャイアンツ依存から脱却しつつある、今の時代だからこそ。
また、競馬場、競輪場、球場と3大エンターテインメント・スタジアムが横に並んでいたという、あり得ないロケーションの〈川崎球場〉というのも、違う意味でスゴかったのだなぁと。加えて、日本有数のソープ・ランド街が隣接しているというのも。。。まさに、高度成長時代の日本で、工場地帯だった川崎ならではのこの展開。働いて遊ぶ。それが1つの都市で完結していたのだ。
〈川崎球場〉は当初、「バックネットは総ガラス張りで、観客席の下にはホテル、託児所まで設けるという壮大な構想」であったという。(山崎二郎)
「柔軟に情報を収集したうえで、最終的にそれを活かして『決断』をしっかりとするということ」という定義の「優柔決断」。これって、野球のプレイに限らない思考方法とだと思った。巻末に収録された脳科学者の茂木健一郎との対談で、キャッチャーがサインを出す際、「15秒から20秒くらいでしょうか。」という古田の応えて、「わずか10数秒で決断をくりかえすというのは、かなり特殊な脳の使い方です」と茂木。当たり前のことだと思っていたが、確かに特殊。瞬時にデータを検索し、加えて、バッターの仕草を観察したリアルタイム・データも加味してサインを出すのだから。(山崎二郎)